【定例会】事業説明会(認定NPO法人ピーサポネットほか)



3月7日みらいあん事務所にて定例会が行われました。毎月の例会では今後開催予定のイベントや団体としての取り組みなどについて、様々な専門分野を持った会員たちと協議し課題解決を図る場になっております

本日は3名講師をお招きし自身の事業についてお話いただきました。



【認定NPO法人 ピーサポネット 理事長:藤野善孝】


認定NPO法人ピーサポネット理事長の藤野氏をお招きし「高齢者とペットの共生」についてお話いただいた。

日本が直面する急速な高齢化は、社会にさまざまな課題をもたらしているが、中でも高齢者の孤独感や社会からの孤立は深刻な問題となっている。このような中、ペットは高齢者にとって大きな支えとなり得る存在であり、彼らとの共生は精神的な健康を促進し、質の高い生活を実現する鍵となってくる。

しかし、高齢者がペットを飼うことには多くの障壁があり、それらを乗り越えるための支援が求められている。認定NPO法人ピーサポネットは、このような状況を改善するための画期的な取り組みを進めており、高齢社会とペット共生の新たな可能性を切り開いている団体である。

 〜ペットとの生活がもたらす効果〜

ペットとの共生は高齢者にとって多くのメリットをもたらしてくれる。精神的な安定やストレスの軽減、認知症の予防、そして寝たきりの改善などが主な効果だ。

ペットと触れ合うことで「幸せホルモン」とされるオキシトシンの分泌を促し、孤独感を軽減すると同時に、散歩などの日常的な身体活動を通じて健康を促進する。また、飼い主間の交流は社会的孤立感を解消し、新たなコミュニティを築くきっかけにもなるのだ。ペットと生活することは、高齢者が豊かで健康的な生活を送るために重要な役割を果たしているのである。

 〜高齢者とペットの共生支援〜

高齢者がペットと生活することで得られる効果は多くあるにも関わらず、高齢者が新たにペットを迎え入れることは容易ではない。地域の愛護センターから犬や猫を引き取ろうとしても、飼い主が高齢となると難しいという現状があるという。その要因は保健所へ犬猫が持ち込まれる際に「飼い主の死亡」という理由が多くを占めるからだ。

殺処分を減らしたい行政とペットとの生活を通して健康的な生活を送りたい高齢者の間に大きなギャップが生み出されているのである。行政と飼い主間にあるギャップを埋めるためにピーサポネットでは革新的なサービスで解決の糸口を提示している。その一つが「ラブポチ信託®」だ。

ラブポチ信託®
とは、飼い主が亡くなった後もペットが安心して生活できるようにするための仕組みである。サービスを利用することで、飼い主が高齢であっても安心して新たな家族を迎え入れることができるのだ。このシステムの中心となるのは、飼い主の生命保険や遺産を活用して飼育費用を確保するというものだ。「私が亡くなった後、この子はどうなるんだろうか?」という飼い主が抱える不安を解消することができ、また、行政側からすれば「飼い主の死亡」による保護頭数及び殺処分頭数を減らすことができる。

飼い主が亡くなった後に引き取られたペットたちはピーサポネットと連携する全国の老犬老猫施設に引き取られ、天寿を全うするまで生活することができる。「ラブポチ信託®」は飼い主、行政の双方の抱える課題を解決へ導くことができるサービスなのだ。



ニコニコハート株式会社 代表:内島陽子】


福岡県志免町で訪問看護ステーションを展開している「ニコニコハート株式会社」代表の内島氏から「訪問看護の変遷と展望」についてお話いただいた。

日本社会の高齢化が一層進む中、訪問看護はその重要性を増している。医療と介護の現場で、このサービスがどのように展開され、進化しているのか。先日開催されたセミナーで紹介されたニコニコハート株式会社の事例を通して、訪問看護の歴史、現状、そして未来について探る。

 〜訪問看護の歴史と現状の概観〜

1960年代から始まった訪問看護は、高齢者の寝たきり問題への対応からスタートした。スタート当初は病院勤務の看護師が患者宅へ伺うという病院サービスの一環であった。1982年に老人保健法が制定されると、訪問看護は医療保険の適用範囲内に含まれるようになり、1991年に老人訪問看護制度が発足し、1992年には老人訪問看護ステーションからのサービス提供がスタートした。

この頃から、各地では「訪問看護ステーション」の開設が相次ぎ、世間に広く知られるようになってくる。1994年の健康保険法改正により、全年齢の在宅療養者が訪問看護サービスを受けられるようになるなど、その後も対象者やサービスの範囲は広がり続けている。2000年の介護保険制度導入以降、訪問看護は医療と介護の領域で一層重要な役割を果たすようになった。利用者数は年々増加傾向にあり、患者や患者家族のニーズも変化していく中で提供形態も多様化している。

 〜ニコニコハート株式会社の取り組み〜

ニコニコハート株式会社では、訪問看護における新たな可能性を追求している。その背景にあるのは、患者さんや利用者さん、ご家族からのニーズの多様化だ。

「離れて暮らす両親のために安否確認を定期的にしてほしい」「病院への付き添いをしてほしい」「健康相談に乗ってほしい」など、相談内容は様々である。そういった要望に応えるために、ニコニコハートでは、保険外サービスの拡充に注力している。

糟屋郡志免町にある事務所を開放し相談窓口として設置しており、日々様々な方が相談窓口を訪ねてくるという。従来の「訪問看護」という枠組みを超えた包括的な支援で、地域の健康や生活を基盤から支える活動を行っている。

 〜かかりつけ看護と未来への展望〜

ニコニコハートでは「かかりつけ看護」の概念を推進している。これは、高齢者やその家族が日常的に相談できる、身近な看護師を確保することを謳っている。

かかりつけ医があるように、看護に関してもかかりつけを作ることで、早期の健康問題の発見、予防介入が可能となり、結果として医療・介護コストの削減にも寄与することができる。認知症の早期発見や体の不調を看護師の目から早期に判断することができるため、利用する患者さんにとっても利点は大きい。

ニコニコハートによる「かかりつけ看護」の導入は、訪問看護の新たな役割として期待されている。これにより、地域社会における高齢者のサポート体制が強化され、医療機関との連携も一層密になると考えられる。訪問看護の未来は、技術進化や社会変化を捉え、利用者に寄り添ったサービスの提供を目指していくことにある。ニコニコハート株式会社の取り組みはその一例として注目されている。



税理士法人アーリークロス 副代表:小山寛史】


現代社会において、企業は経済の急速な変化や複雑化する法規制に迅速に対応しなければならないという大きな課題に直面している。このような環境下で、企業経営を全方位から支え、その成長と発展を促すパートナーの重要性が高まっている。福岡に本社を置き、幅広いサービスと専門的な知識を提供する税理士法人アーリークロスでは、税務関連の支援にとどまらず多岐にわたるサービスを展開している。本日は税理士法人アーリークロス副代表の小山氏にお越しいただき、事業についてのお話を伺った。

 〜税理士法人アーリークロス〜

社名の由来となったアーリークロスは、サッカーで使用される戦術用語だ。顧客が目指すゴールに向かって、最善のパスを出し目標達成の支援を行うという意味と、創業したての経営者に向けて、いち早く(アーリー)関わる(クロス)ことにより最短で結果を出す支援をするという意味が込められているという。

2018年に設立された税理士法人アーリークロスは、社名の由来の通り数多くの経営者の目標達成への支援を続けてきた。現在では1000社以上の契約実績を誇り、130名以上の専門スタッフを抱える九州屈指の会計事務所となっている。支援内容は税務や財務のみならず経営、事業承継、相続、労務、事業再生、デジタルトランスフォーメーション(DX)、ウェブ制作に至るまで、多岐にわたっている。

このように、アーリークロスは、幅広いサービス展開と専門知識を持ち合わせることで、税理士法人という枠を超えて、様々な企業の持続可能な成長と社会全体の発展に大いに貢献している。今後も、変化し続ける経済環境の中で、企業と共に歩み成長し続けることが期待されている。





次回は【Skill UP:映画『米寿の伝言』試写会】