でんでん虫の会 永田貴子

永田貴子 / NPO法人でんでん虫の会

RKBラジオToitoitoi内で1年半の間放送してきました「5分でわかるみらいあん!」も本日が最後の放送となります。

毎回放送後には、多くのお問い合わせをいただくこともあり「みらいあん」の活動を知ってもらえる良い機会になりました。今まで楽しみに聴いていただいた皆様ありがとうございました!

最終回のゲストは熊本を拠点に活動する「NPO法人でんでん虫の会」事務局長の永田さんにお越しいただきました。「でんでん虫の会」は尊敬するNPO団体であり、みらいあんの目指す姿でもあります。最後の放送にぜひ出演してほしいとオファーをしたところ、快諾いただいた永田さん及びでんでん虫の会の皆様本当にありがとうございました。

※「でんでん虫の会」についてはコチラの記事を御覧ください。




出演者控室

熊本からの早朝移動にも関わらず、疲れも見せず満面の笑顔で私達に接してくれる永田さん。「なんでん聞いて!」と言っていただき、その厚意に甘える形で本番前に少しだけ取材をさせて頂きました。

6月に熊本の「でんでん虫の会」に伺ったときには聞くことができなかった、永田さん自身が「なぜ、でんでん虫の会に入会したのか?」について伺いました。


「でんでん虫の会」に入会するずいぶん前、わたしは終末医療のホスピタルでボランティア活動をしていました。終末医療と聞くと暗く悲しいイメージがありませんか?まさしく私も同じような印象を抱いていたんです。しかし、活動を始めるとそのイメージは一変しました。

そこに満ち溢れていたのは、悲哀に満ちた空気ではなく、自然の中にいるようなとても穏やかな時間の流れでした。病気による痛みや苦痛を抱えながらも、患者さんたちはわたしたちのことを気遣ってくれて、とても優しくしてくれるんです。そんな関わりの中でわたしの思う「死」という概念が少しずつ変化していきました。そんな折に大きな衝撃とともに「転機」が訪れます。

2011年9月に発生した「東日本大震災」です。テレビ越しに映し出された景色は目を覆いたくなるほどの凄惨な風景でした。ホスピタルで穏やかに死を受け容れ過ごす人がいる一方で「当たり前にある明日」を疑うこともない人々の命が突然失われることを目の当たりにしたんです。震災はわたしの持つ「命」という概念を大きく変化させていきました。

人間は生まれた瞬間から確実に「死」に向かって一歩ずつ歩みを進めていきます。しかしながら、全ての人が穏やかな死を迎えられるわけではありません。生活苦や病気、様々な理由で穏やかな最期を迎えることが難しい人々に対して、何か力になりたいと「メメントモリ」という支援団体を立ち上げました。

支援活動を続けるなかで「でんでん虫の会」と出会い、同じ志を持っていることに喜びと高揚感を感じました。同じ熊本県内の団体で、同じ方向を向いている集団がバラバラに活動する利点はありません。わたしは「メメントモリ」を解散し、そのメンバーを引き連れて「でんでん虫の会」に合流することにし今に至っています。


ON AIR

熊本県に拠点を持つ「でんでん虫の会」は「ひとり暮らしの“社会的弱者”と言われる元路上生活者、高齢者、障がい者、DV被害者などへの安否確認や相談活動を通じて孤立を防ぎ、社会参加や相互交流の機会をつくりながら、人と人とのつながりや絆を深め、安心して暮らすことのできる地域づくりに寄与すること」を目的として2011年に設立されました。

繋がりを深める環境をつくることで、孤独を抱える人々が社会から「孤立」することを防ぐ役割を担っています。「おしゃべり会」という集まりを毎週水曜日に定期開催しており、懐かしい歌をみんなで歌ったり、こどもの頃の思い出を語ったり、絵を書いたりと一緒に同じ空間を共有することで少しずつお互いに親交を深めていくことができます。また、定期開催することで携帯電話を持っていない人でも、毎週水曜日にその場所に行けば助けてくれる仲間がいると認識することができ、もしもの時でも私達が対応することができます。

でんでん虫の会では支援する側、される側という認識はありません。会員の皆が互いに「支え合う」ことを軸としています。支援する側、支援される側という2つの立場を作ってしまうと、支援される側は次第に我慢するようになり、本来であれば相談すべき内容であっても誰にも言わずに抱え込んでしまうことがあるからです。

社会からの孤立・孤独を感じている人々をひとりでも多く救いたいという思いがありますが、団体としてのマンパワーも資金も十分ではありません。運営するスタッフは無報酬ですべてボランティアとして活動しているにも関わらず、団体を存続させていくためには多くの資金を必要とします。この放送を聞いて、我々の活動に賛同して下さる方にはマンスリーサポーターや賛助会員という制度も設けております。福岡からでもお支え頂けると大変助かります。

また、どんな団体なのか知りたいという方がいらっしゃれば、10月1日と8日に市民活動支援センターあいぽーと(熊本市中央区大江5丁目1−1)で傾聴勉強会を開催しますのでご参加お待ちしております。



満面の笑顔でブースから退出する永田氏

ブースから照れながら出て来た永田さんに、みらいあんメンバーから大きな拍手が贈られます。永田さんも毎日の活動で忙しく、あまり練習ができていなかったことを心配されていましたが、団体の意義や活動内容そして志を多くの人が受け取ったと思います。「5分でわかるみらいあん!」の最後を飾るすばらしい内容でした。ありがとうございました。



リスナーの皆様!ありがとうございました!

1年半に渡ってRKBラジオ「Toitoitoi」内にて放送を行ってきた「5分でわかるみらいあん!」ですが、本日をもって一旦卒業という運びとなりました。「毎週楽しみにしているよ!」「次回はどんな話なの?」と声をかけてくれる方もおり、本当に感謝しております。

今回でラジオでの放送は終了いたしますが、みらいあんの活動は引き続き行って参ります。
皆さんに喜んでもらえるようなイベントや勉強になるセミナーなどを開催して参りますので、これからも応援を宜しくお願いいたします。

皆さん、ありがとうございました!



次回は【新会員紹介】