みらいあん健康講座②

みらいあんでは健康長寿を目指して、不安なくイキイキとした生活を皆さまにご提供すべく、福岡市の後援を得て2ヶ月に渡り「みらいあん健康生活講座」を開催いたしました。

専門分野を持った講師が、毎回様々な切り口で「健康」について語っていただきました。2ヶ月間の講座で多数の方々にご参加いただきました。

本当にありがとうございました。


セミナールポ1

屋上菜園のススメ〜身近に農業を実感する生活を〜

講師:末田陽子(看護師・保健師)

糟屋郡志免町で訪問看護事業を展開するニコニコハート株式会社の代表末田陽子氏をお招きし「屋上菜園のススメ〜身近に農業を実感する生活を〜」と題して講演いただきました。末田氏は岡山の大学を卒業後に、福岡へ戻り総合病院で10年間看護師として勤務し、その後もデイサービスや医療相談などを経て、現在の訪問看護事業に辿り着きました。医療だけでなく介護に関しての知見も広く、超高齢化社会となった日本において発生する多くの社会課題を新たな視点から解決しようと日々模索しております。


看護師として勤務する中で、がんや糖尿病など長期の療養が強いられる患者さんを数多く目の当たりにしてきました。治療中も苦痛や心労を伴うことが多くあり、そんな患者さんたちの声を耳にしていました。病気になった人を革新的な医療技術で回復させることは私にはできません。しかし、病気にならないように何かできることがあるのではないか…そう思ったのが0次予防という考え方につながり「屋上菜園」を着想するきっかけになったんです。

0次予防とは「健康になろう!」と意識して食生活を改善したり運動をしたりすることとは違い、その地域でありのままに生活することで、いつの間にか健康的な生活が送れるという「地域や環境そのものが人を健康にしていくように調整する」ことを指します。つまり、生活の中に無意識的に健康的な生活を組み込んでいくことで、おのずと病気になりにくい体が作られるということです。

「健康」を実現するためには「食事」「運動」が基本になります。人口が集中するのは都市部になるため、まずは都市部から「食」についての改善を進めて行くことにしました。その一つの形がマンションやビルという資源を活用した「屋上菜園」なんですね。菜園で作物を作るということには作り手にとっても多くのメリットがあります。

①人が集まる場づくり
子供から高齢者まで様々な背景を持った人々が集い、社会的な孤立からの脱却と新たなコミュニティづくりが実現できます

②食育の場づくり
いつも食べている野菜がどうやって種から実をつけるまでになるのか、子どもたちに対しての食育の場になります

③心身の改善
農作業で体を動かすことで運動不足の解消や手足のリハビリにつながります。また、高齢者にとっては農作業の知恵を活かす場となり、役割を持つことで生きがいに繋がります。

④食の安全性
菜園の野菜は無農薬での栽培になるため、高い安全性を確保できます。

現在は天神地区に1箇所屋上菜園を展開しております。美味しい作物を作りながら、気がつけば仲間が増え健康的な生活が送れている。そんな地域づくりを実現すべく今後も「屋上菜園」を増やす活動を続けていきます。



アクア・ブレス・ヨガ〜腰痛緩和・股関節の柔軟性〜

講師:村上雅子(ヨガインストラクター)


アクア・ブレス・ヨガの着想に至ったのは、私がフルマラソンのチームに所属していた頃になります。チームのメンバーが相次いで膝や股関節の故障を抱えてしまった時期がありました。マラソン選手にとって、膝や股関節を怪我してしまうと陸上でのトレーニングはもちろん、歩行も困難な状況に至ってしまうこともあります。一日でも早く彼らを治療できないかと考えていたところ、プールを利用して体のリカバリーができるのではないかと思いついたんです。

長年、水泳競技に携わっていた経験もあって、怪我をしたメンバーを集めて、プール内でストレッチや軽いトレーニングを繰り返していました。彼らの怪我も想定以上に早く回復したこともあり、水中でのトレーニングは足腰に負担を掛けず、早期のリカバリーが可能であることに気づきを得たんです。更に、プールでのトレーニングをしているときに、無意識に呼吸を意識していることに気づき、水中でのストレッチと呼吸法を組み合わせることで、更なる心身のリカバリーに効果があるのではないかと思い、水中+ヨガの組み合わせで独自のトレーニングを組み込んだ「アクア・ブレス・ヨガ」が誕生することになります。

現在、市民プールを利用し「アクア・ブレス・ヨガ」を毎週開催しています。生徒さんの多くは65歳を越えた高齢者の方々です。高齢者の多くは、足腰に不安を抱えている方がほとんどです。また、高齢者が躓いて転倒してしまうと骨折のリスクも大きく、骨折した場合は入院生活を余儀なくされ、入院生活が長引くことで認知症になってしまう可能性もあります。

健康寿命を1日でも長く伸ばすためには、食事と運動が必要になってきますが、陸上でのスクワットや昇降運動などは高齢者にとって大きな負担となり、結局は運動を辞めてしまうという結果に繋がっていきます。そこで出てくるのが、水中という条件を付加したアクア・ブレス・ヨガです。水中では自分の体重が2割ほどに軽減されます。その中で、運動を行うことで足腰にかかる負荷を大幅に軽減できます。その一方で、水による圧力は全方位にかかってきますので、血流の増加やトレーニング時には適度な負荷になってきます。

現在は30名程の生徒さんが毎週教室に通ってくれますが、その多くの方がアクア・ブレス・ヨガに通いだして、体の柔軟性が増したり、歩行が以前より軽くなったりと効果を感じて頂いております。ヨガの所作を取り入れながら、水中でトレーニングをすることで筋力や柔軟性が獲得できるのはもちろんのことですが、心のリラックスにも繋がってきます。生徒さんの中には不眠症で悩んでいる方がいらっしゃいましたが、スクールに通っていただくことで改善に結びついた事例もあります。

アクア・ブレス・ヨガでは、水に顔をつけなくても水中でトレーニングができるカリキュラムを用意しております。泳げない方でも高齢者でも、誰もが気軽に参加でき皆が健康を実現できることを目指して今後も活動を続けて参ります。




ご参加いただき、ありがとうございました!


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次回は【ぶらウォーク福岡in大濠公園】